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建設系廃プラの35%油化成功が示す新たな分水嶺―6社実証が変える現場の廃棄物マネジメント

鹿島建設、竹中工務店ら6社が建設系廃プラの油化実証を完了。35%をケミカルリサイクル可能と確認した背景には、建設業界の廃棄物処理コスト増と環境規制強化がある。実証で明らかになった3段階区分の実務的意義と、残り65%の処理課題を分析する。

公開日: 2026-06-11T00:01:58+09:00

建設系廃プラの35%油化成功が示す新たな分水嶺―6社実証が変える現場の廃棄物マネジメント

鹿島建設、竹中工務店を含む6社連合が、建設現場から排出される廃プラスチックを油化する実証プロジェクトを完了した。対象となった廃プラの35%がケミカルリサイクルに適していることが判明し、ストレッチフィルムやエアキャップといった特定素材の資源化ルートが確立された。この成果は、年間数十万トン規模の建設系廃プラ処理に新たな選択肢をもたらす可能性がある。

参考: 竹中工務店ら6社、建設系廃プラの油化実証を完了 35%をケミカルリサイクル可能と確認(ITmedia ビルド)

分析・見解

今回の実証が示したのは、建設系廃プラが一括処理できる均質な廃棄物ではなく、用途と品質で明確に区分すべき対象だという現実である。35%という数値は一見控えめだが、建設現場の廃プラ組成を考えれば妥当な到達点といえる。建設現場では養生材、梱包材、配管類、断熱材など多種多様なプラスチックが混在し、汚れや異物の付着も避けられない。これらを一律に油化しようとすれば、前処理コストが跳ね上がり経済性を失う。6社が採用した3段階区分というアプローチは、リサイクル適性の高い素材を優先的に回収し、残りは従来の処理ルートに回すという現実的な戦略を反映している。

注目すべきは、ストレッチフィルムとエアキャップという比較的単一素材で汚染度の低い廃材が油化対象として選ばれた点である。これらは建設現場で大量に使われるが、従来は産業廃棄物として焼却または埋立処分されてきた。油化により石油化学原料として再利用できれば、バージン原料の使用量削減と二酸化炭素排出削減の両面で効果が期待できる。実証では処理シナリオ比での環境負荷低減が確認されたとされるが、実用化には油化プラントの設置場所、収集運搬の効率化、再生油の品質安定化といった課題が残る。

残り65%の廃プラをどう扱うかも重要な論点である。実証では3段階に区分したとあるが、油化に適さない廃プラには塩ビ系材料や複合材料、著しく汚染されたものが含まれると推測される。これらは引き続きサーマルリサイクルやマテリアルリサイクルの対象となるが、分別精度を上げることで将来的にケミカルリサイクル比率を引き上げる余地がある。

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ビジネスへの影響

建設会社にとって、この実証成果は廃棄物処理コストの見通しを変える可能性がある。従来、建設系廃プラは産廃処理費として一律に計上されてきたが、油化ルートが確立すれば一部を有価物として売却できる可能性が生まれる。ただし、現場での分別作業が増えるため、作業員教育と分別容器の設置が必要になる。初期投資と運用コストを考慮すれば、大規模現場や長期プロジェクトで先行導入するのが現実的だろう。

サプライチェーン全体で見ると、日本通運のような物流事業者の役割が重要になる。建設現場は分散しており、少量多品種の廃プラを効率的に収集し油化プラントまで運ぶには、既存の産廃物流網との統合が不可欠である。リファインバースグループや三菱ケミカルといった再資源化・化学メーカーとの連携も、再生油の用途開発と市場形成に直結する。この6社連合の構成は、川上から川下までを網羅した実用化を見拠えたものといえる。

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